一戸町指定有形文化財

鳥越山観音堂奥院


指定年月日
平成元年9月25日

所在地
一戸町鳥越字宮古沢

所有者
鈴木 セツ子

 岩手県指定有形民俗文化財となっている巡礼納札のある鳥越観音は、伝説によれば、平安時代のはじめまでさかのぼる古寺です。この巡礼納札には、永正9年(1512)の記録があるので、鳥越観音は、室町時代の後半には観音巡礼の霊場として賑わっていたものと思われます。

 江戸時代になり、寛文12年(1672)に南部重信公が再興しています。

 以前この寛文12年の棟札があったという記録もありますし、同年の鰐口も残っているので、岩窟の中にある奥院は、この時に建てられたものとみられます。また建築様式も江戸時代初期のものであり、このことを裏付けています。

 建物は、正面4間で階段の上の3間に縁がついています。内部は、外陣と内陣とに分けられていますが、上段となっている内陣の右に2基、正面奥に1基の厨子を備えています。岩窟のなかにある建物なので床がありませんが、岩窟内の建物で江戸時代初期にさかのぼる建物は少ないと言われていますので、その意味からも貴重な建物となっています。一戸町内では、寛文3年(1663)の西方寺毘沙門堂に次ぐ古い建物です。