放任果樹を伐採し、獣が近寄りにくい町へ~放任果樹伐採・庭畑整備ワークショップ開催レポート~

更新日:2026年02月02日

放任果樹を伐採し、獣が近寄りにくい町へ

近年、シカやクマなどによる農作物被害や人との遭遇が問題となっています。こうした被害を防ぐためには、放任された果樹の伐採や耕作放棄地の草刈りを行い、見通しのよい 緩衝帯(かんしょうたい) を整備することが有効とされています。

一戸町では、緩衝帯整備を進めるため、整備にかかる費用の一部を補助する制度を設けています。

事業者による伐採作業

事業者による伐採作業

 

緩衝帯整備ワークショップを開催しました

令和8年1月25日(日曜日)、岩舘地区にて「放任果樹伐採・庭畑整備ワークショップ」を開催しました。農地付き空き家をモデル地区とし、参加者で敷地周辺を見回りながら、獣の隠れ場所になりやすい箇所を確認しました。

現地では、高木化して収穫できなくなった柿の木や、山林との境に立つニセアカシア、放置された果樹棚やビニールハウスなどが見られ、これらが獣の潜み場になり得ることを参加者全員で共有しました。

参加者同士の意見交換

参加者同士の意見交換

 

自分たちでできること、事業者に任せること

現状を確認したあとは、自分たちで対応できる作業と、専門の事業者に任せる作業を整理しました。傾斜地に立つ大きな木などは、個人で伐採するには危険を伴うため、無理をせず事業者に依頼し、安全に整備を進めることが重要です。

隣の山林との境にたくさん立つニセアカシヤ

隣の山林との境にたくさん立つニセアカシア

 

隣接する山林との境にはニセアカシアの木が多く立っており、こちらは事業者に伐採を依頼しました。ニセアカシアは成長が早く、放置するとすぐに大きくなりますが、木は硬く乾燥させると薪として利用できる木でもあります。伐採したあとの樹木の利活用についても様々な意見が聞かれました。

伐採だけが正解ではないという選択

収穫しきれない高さの柿の木

収穫しきれない高さの柿の木

 

敷地内の柿の木は高木化し、すべてを収穫できない状態で、放置された実は鳥やカラスに食べられていました。このような放任果樹はクマを引き寄せる原因になりますが、参加者との意見交換の結果、伐採はせず、所有者が収穫できる高さに剪定して残すことにしました。

また、実がならなくなった梨の木についても、剪定や手入れを行い、再び実がなる楽しみを残すことにしました。伐採しない場合、獣を誘因する原因になる場合は、電気柵の設置も検討します。

大木化し隣家に倒れそうなクワの木

大木化し隣家に倒れそうなクワの木

 

一方、隣家との境の傾斜地に立つクワの木は大木化しており、倒木の危険性が懸念されていました。伐採方法について事業者も検討する中、参加者から「根が斜面を支えている可能性があり、伐採すると土砂崩れにつながるかもしれない」という意見が出されました。

獣害対策のためにむやみに伐採し、別の災害リスクを生んでしまっては本末転倒です。自然と向き合いながら、人間本位になりすぎない鳥獣被害対策の大切さを、参加者全員で再確認しました。

 

緩衝帯整備と補助制度について

緩衝帯を整備することで、獣が身を隠せる場所を減らし、人の生活圏に近づきにくくする効果が期待できます。侵入防止柵と併せて整備することで、さらに効果は高まります。

緩衝帯整備は、大規模な山林整備だけでなく、農地内の放任果樹や集落内の栗、柿などの樹木の伐採なども含まれます。

特に、集落内に残るツキノワグマを誘引する栗、柿などの樹木の伐採は、出没などを抑制する効果が大きいことが、他地域の事例で実証されています。

冬は伐採作業がしやすく、クマも冬眠に入り出没が少ないため、安全に作業を進めることができます。補助金は、機械の賃料や燃料代、作業を委託した場合の委託料も対象となります。無理のない形で整備を行い、継続的な維持管理につなげていきましょう。

補助事業の要件など詳細は下記のページを参照にしてください。

鳥獣緩衝帯の整備補助

 

申請や、緩衝帯整備に関するお問い合わせ、放任果樹などの伐採のご相談は農林課まで。

地域全体で獣害対策に取り組んでいきましょう。

この記事に関するお問い合わせ先

産業部 農林課

〒028-5311
岩手県二戸郡一戸町高善寺字大川鉢24番地9
電話番号:0195-33-4854
メールでのお問い合わせはこちら

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