電気柵設置講習会開催レポート

更新日:2026年06月24日

町民農園で電気柵設置講習会を開催しました。

一戸町では近年、イノシシやシカなどによる農作物被害が発生しており、家庭菜園や農地を守るための対策が重要となっています。

令和8年5月17日、町民農園において電気柵の設置講習会を開催し、サージミヤワキ株式会社須藤知生氏を講師に迎え、正しい設置方法や管理のポイントについて学びました。

 

当日の様子1

電気柵設置の目的

こちらの農園では、イノシシによる農地の掘り返しが確認されています。農園利用者の皆さまが安心して農作業を行えるよう、電気柵を設置することとなりました。

鳥獣被害対策では捕獲も重要な手段ですが、それだけでは被害を防ぎきれません。農地への侵入を防ぐ「防護対策」を組み合わせることで、より効果的な被害防止につながります。

 

講習会の内容

講習会では、実際に電気柵を設置しながら、次のようなポイントについて学びました。

 

1. 支柱の設置

畑の形状や周辺環境に合わせて支柱を配置します。事前に設置場所を確認し、草刈りや障害物の整理を行うことで作業がスムーズになります。

 

今回も事前に支柱を立てる場所に目印を立て、電線が触れそうな栽培柵は事前に移動したり、撤去しました。

支柱を立てる場所に目印を設置
支障物は事前に撤去します

 

 

2. 獣種に応じた高さ設定

電線が獣の鼻先などにあたることでショックを与え、追い払う効果が期待できます。イノシシは鼻先で障害物を確認する習性があり、クマも体の大きさに応じて侵入を試みます。

そのため、対象となる獣に応じた高さに電線を張ることが大切です。今回はイノシシとクマへの対策として、地上20、40、60センチメートルの高さに電線を設置しました。シカも対象とする場合はこれに加えて100、130センチメートルの高さに電線を設置します。(130センチメートルは、通電しないダミーでも可)

事前に支柱を地中に埋める深さと、電線の高さに印をつけると作業をスムーズに進めることができます。

 

支柱に印をつける
対象に応じた高さが重要

 

 

3. 電線を張る

支柱の印をつけた高さにクリップをつけ、ワイヤーを通します。

 

印を付けた高さにクリップをつけます

ワイヤー設置

電線がたるんでいると適切な高さを維持できず、十分な効果が得られません。緊張具などを活用すれば、ゆるんだ際ピンとはることができます。

ワイヤーはたるまないように

緊張具で調整します

 

 

4. 漏電対策と維持管理

電気柵は十分な電圧が保たれて初めて効果を発揮します。雑草や枝葉が電線に接触すると漏電が発生し、電圧が低下します。

そのため、

・定期的な草刈り

・ゲートの確実な開閉

・電線のたるみの点検

・電圧チェッカーによる確認

といった日常的な管理が欠かせません。

電圧チェッカーによる確認
付近の雑草管理

漏電した状態で柵が張られていると、獣に簡単にくぐられてしまいます。

「電気柵を設置したのに被害が出た」というケースの多くは、雑草接触やゲートをしっかり閉じていなかったことによる漏電が原因です。

 

 

5.積雪時の注意点

簡易電気柵は、積雪によって電線が雪に埋まったり、支柱が破損したりするおそれがあるため、冬期間は撤去することが望ましいとされています。また、通電しない状態で柵だけを長期間設置していると、獣が「触れても危険ではない」と逆の学習をしてしまい、電気柵本来の効果が発揮出来なくなっていまいます。

 

捕獲と防護の両立

一戸町鳥獣被害対策実施隊では、わなによる有害捕獲活動を行っています。しかし、捕獲だけで被害を防ぐことは難しく、電気柵などによる侵入防止対策も重要です。

農地や生活圏を人がしっかり守りながら、野生鳥獣との適切な距離を保つことが、被害防止につながります。

 

 

講習会の様子2

おわりに

今回の講習会では、参加者の皆さまに実際の設置作業を体験していただき、電気柵の効果を発揮するためには正しい設置と継続的な管理が重要であることを学んでいただきました。

今後も一戸町では、地域の皆さまと協力しながら鳥獣被害対策に取り組み、安心して農業や家庭菜園に取り組める環境づくりを進めてまいります。

ご参加いただいた皆さま、また講師を務めていただいたサージミヤワキ株式会社須藤知生氏に感謝申し上げます。

 

 

電気柵等の設置補助について

電気柵は正しく設置・管理することで高い追い払い効果が期待できます。農地や家庭菜園を守るため、設置を検討される方は農林課までご相談下さい。

農林課では、電気柵等設置にかかる経費の一部を補助しています。

詳細はこちらをご覧ください。