二戸地方の漆蝋関係資料

更新日:2020年03月16日

房についたウルシの実をこすり落とすための凹凸のついた木製の板状の道具

もみ台

絞り出された蝋を受けるための組み立て式の木製の箱

フネ(蝋箱)

《県指定文化財》

ふりがな:にのへちほうのうるしろうかんけいしりょう

名称:二戸地方の漆蝋関係資料

数量:94点

所在地:御所野縄文博物館

指定年月日: 平成18年9月26日

                       平成20年3月4日(追加指定)

 

 

  「漆蝋」とは、ウルシの実から搾り取った蝋のことで、蝋燭の原料などとして使われました。江戸時代、二戸地方では漆蝋の生産が行われ、盛岡藩内における漆蝋の主産地でした。

  ウルシの木には雌雄があり、秋になると雌の木には房状に実がなります。漆蝋づくりは、実が乾燥する晩秋に「木の実切り」を使い、実を切り落とすところから始まります。房のついている実は「もみ台」にこすりつけ実を落とし、「杵」と「臼」で粉状にします。それを「セイロ」で蒸し、竹製の「蝋しめ籠」に入れ、「胴木」で蝋を搾り取ります。搾り取られた蝋は「フネ(蝋箱)」で受けます。蝋は「蝋鍋」で溶かされ、「蝋かけ串」に何度も塗り重ねて蝋燭に仕上げます。

  このようにウルシの実から蝋を生産した道具である「二戸地方の漆蝋関係資料」は、盛岡藩の重要な産物であった漆蝋の生産過程などを考える上で重要な資料です。

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