関屋大日堂板碑

更新日:2024年06月12日

関屋大日堂板碑の写真1

写真1

関屋大日堂板碑の写真2

写真2

種子ア

種子ア

「一戸町の石像文化財その2」より

種子アーンク

種子アーンク

「一戸町の石像文化財その2」より

《町指定有形文化財》

ふりがな:せきやだいにちどういたび

名称:関屋大日堂板碑

数量:2

所在地:西法寺字関屋(関屋大日堂境内)

指定年月日:昭和60年10月2日

 

中世に造立されたとみられる二つの板碑が関屋大日堂の境内にあります。

一つは鳥居をくぐってすぐ左手の大きな柳の木の下に立っています(写真1)。表裏両面が平らに整形された板碑で、正面に大きく種子「ア」が刻まれています。

「ア」は、梵字の一番初めの字であり、一切の言葉、音声の根源とされ、密教の根本仏である大日如来を示しています。密教では、瞑想によって「ア」字の示す大日如来と一つになる「阿字観(あじかん)」という修行が行われています。この碑は、亡くなった方の成仏を願ったもので、密教に関わる者による造立と考えられています。

もう一つの碑は、お堂正面の左手に置かれています(写真2)。

正面上部には大きく大日如来を表す種子「アーンク」が刻まれ、その下に「一百箇日」とあることから、大日如来を本尊として百箇日供養を行った碑であることが分かります。

「アーンク」は「ア」と同じく大日如来を表しますが、五点具足(ごてんぐそく)の阿字とも呼ばれています。密教に伝わる胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)に描かれた諸仏のうち、中央に位置する大日如来に、その四方に並ぶ東方の宝幢(ほうとう)如来、南方の開敷華王(かいふけおう)如来、西方の無量寿(むりょうじゅ)如来、北方の天鼓雷音(てんくらいおん)如来を加えた「胎蔵界五仏」を表しています。

15世紀半ば頃に成立した現行の百箇日供養では本尊を観音菩薩としていますので、この碑はそれ以前の鎌倉時代末期から南北朝時代にかけての造立と考えられます。

これら二つの板碑は、「小枝八幡宮板碑」とともに、県北地方における数少ない中世の板碑資料として町有形文化財に指定されています。

所在地

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