野尻の大イチイ

野尻の大イチイ
《町指定天然記念物》
ふりがな:のじりのおおいちい
名称:野尻の大イチイ
数量:2
所在地:平糠字野尻
指定年月日:平成2年3月26日
イチイは、イチイ科イチイ属の常緑高木でアララギやオンコとも呼ばれ、全国に分布します。和名のイチイは、朝廷の高位にある者が持つ笏(しゃく)をこの木で作ったことに由来すると言われています。
庭木や生け垣に利用され、秋には赤い実を付けます。その実は甘く、以前は子どもがおやつ代わりに口にすることもありましたが、種に毒があるので注意が必要です。
アイヌ語では「クネニ」と呼ばれ、カンジキや彫刻のほか弓の材料に用いられていました。また、イチイ属の属名「Taxus」は弓を意味するギリシャ語の「Taxos」から名付けられたと言われており、イギリスでは同じイチイ属のヨーロッパイチイからロングボウという弓が作られていました。遠く離れた地域でありながら、同じ用途に使われていたことがうかがえます。
平糠川沿いの農家の軒先に立つ2本のイチイの木は樹齢約400年と推定され、これだけの古木は大変貴重であることから、平成2年3月26日「野尻の大イチイ」として町指定天然記念物に指定されました。
東株は高さ10メートル、目通り周囲2.5メートル、枝張り約10メートル、西株は高さ12メートル、目通り周囲4.8メートル、枝張り約16メートルの大きさで、周辺の環境に制約されずに生育したと推測されます。
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更新日:2020年10月29日