木造阿弥陀三尊立像

《町指定有形文化財》
ふりがな:もくぞうあみださんぞんりゅうぞう
名称:木造阿弥陀三尊立像
数量:3
所有:個人蔵
指定年月日:昭和59年12月25日
阿弥陀三尊は、阿弥陀如来を中心に、観音菩薩と勢至菩薩を左右の脇侍とする形式です。阿弥陀如来は西方極楽浄土の教主とされ、浄土思想と深く結びついています。県内では、中尊寺金色堂(国宝)がよく知られています。
町指定有形文化財「木造阿弥陀三尊立像」は、かつて巡見道または御山道(おやまみち)と呼ばれた小繋から天台寺へと繋がる道の近くに建つ阿弥陀堂にまつられていました。そのお堂が朽ちてしまってからはお堂を所有していた地域の旧家に移され、以後大事に守られてきました。
阿弥陀如来立像は像高64センチメートル、左右の脇侍は役40センチメートル、三体とも一木造りの仏像です。一部欠損していますが、耳、首に金箔がわずかに残り、もともと箔押しされた仏像だったことが分かっています。
三尊像の背面にはそれぞれ慶長6年(1601)8月16日と墨書され、さらに阿弥陀如来像には由来も書かれています。それによると甲州(現在の山梨県)の全正坊という僧が諸国を回っていた途中でこの地に立ち寄り、道永入道(不詳)と女10人、男4人の助けを受けて造ったとされています。
このように記銘のある仏像は岩手県北地方で大変珍しく、当時の宗教活動を知る上で重要な資料となっています。
阿弥陀如来立像

撮影:須藤弘敏
高さ64センチメートル。
頭頂部、両手先、両足先を欠損しています。
勢至菩薩立像

撮影:須藤弘敏
高さ40.8センチメートル。
首の部分で折れています。
観音菩薩立像

撮影:須藤弘敏
高さ41.3センチメートル。
持物、左手先の一部、両膝前部、両足先が欠損しています。
この記事に関するお問い合わせ先
教育委員会 世界遺産課 文化財係
〒028-5311
岩手県二戸郡一戸町岩舘字御所野2
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更新日:2021年08月12日